MCC-SFRE 社、Zhuangli、中国
世界最大の鉄鋼生産国である中国は、景気後退と工業の過剰設備との板挟みで苦戦しています。中国北西部にある国営企業の MCC-SFRE Heavy Industry Equipment 社もこのような課題に直面しており、効率化に取り組み続けています。中国北西部の Zhuangli にある MCC-SFRE Heavy Industry Equipment 社の機械加工工場の門口に立てられている掲示板には、この巨大な圧延設備のメーカーの 2015 年の工業生産の目標として、13 億人民元(1 億 8,700 万ユーロ)という数字が高々と掲げられています。
中国陝西省に拠点を置くこの企業は、国営の複合企業の China Metallurgical Group Corporation (MCC) 社と Shaanxi Forging and Rolling Equipment Works (SFRE) 社の合弁企業です。SFRE 社は、鋼材加工用の圧延設備や連続圧延設備を専門に扱う重設備開発メーカーで、50 年の歴史があります。この合弁企業が製造する圧延設備は鉄鋼メーカーに納入され、鉄鋼メーカーでは、この圧延設備で鋼材を均一の厚さに成形し、製品を顧客に販売しています。
コスト削減と能力の増強
MCC-SFRE 社の技術部門担当ディレクタの Yang Xuejun 氏は、同社はこれまで、2008 年の世界的な金融危機により発生したさまざまな問題への対処に追われてきたと述べています。
「鉄鋼市場の需要は急落しましたが、それでも当社では圧延設備の製造を縮小せず、むしろ増強しました。この理由は、運転資金を賄い、会社の勢いを維持する必要があったからです」と同氏は言います。
Yang 氏は、品質の向上、旧式の生産設備の廃棄、コスト削減などの需要から、製鉄業者は次世代の圧延設備を発注しているものの、買い手市場のため生産が過剰になっており、収益が減少しているとも述べています。
このため、MCC-SFRE 社では、2008 年に 1 億人民元を投資し、機械加工ラインの 80 %を最新の設備に入れ換えました。これにより、年間50,000 トンの最高級の冶金の生産能力と圧延設備を実現しています。
「可能な限りのあらゆる方法で効率の維持と向上が必要ですが、切削工具の消費がコストの大部分を占めています」と、MCC-SFRE 社第1 加工工場管理者の Jia Xiaofeng 氏は述べています。
高品質の工具を使って効率的な生産
セコ・ツールズでは、2000 年から切削工具を MCC-SFRE 社に納入してきました。耐久性や性能、優れた費用対効果により、現在では、MCC-SFRE 社の工場で使用する全切削工具の半分がセコ・ツールズの製品になっています。
「当社では、20 種類以上の切削工具を使用していますが、その中でも、セコ・ツールズの工具は群を抜いており、特に、鋭利で耐久性に優れ、高速加工が可能なフライス工具は欠かせないものになっています。このことが、他社製品
よりもセコ・ツールズの製品を多く購入している大きな理由です」と Yang 氏は述べています。
陝西工場を担当するセコ・ツールズのセールスエンジニア、Tang Jie は、MCC-SFRE 社がセコ・ツールズを選んだのは、製品競争力に加えて、出張サービスや、両社の長期にわたる関係もあったと述べています。
この結果、MCC-SFRE 社からはこれまで大量の発注を受けており、2014 年には、30,000 個のチップと 100 台のカッタを含む、数百万元相当の工具の注文がありました。
陝西省のセコ・ツールズのチームは、すべての旋削機械の加工について、機械加工工場の工場長に聞き取り調査を実施しました。チームでは、収集したデータを活用することで、通常の加工とそれ以外の加工の両方に必要な切削工具の機械の数と種類について、工場長に提案することができました。MCC-SFRE 社はこれらの提案を受け入れ、切削工具の支出を 30 %以上削減しました。
「MCC-SFRE 社は、典型的な中国の国営企業です。変わることには慎重で、新しいアイデアを急に受け入れることもありません。必要なのは、彼らのニーズを理解し、必要なサポートと現場でのトレーニングを提供することです」と Tang は述べています。